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宇治市は流域委員会の意見を重視すべき
淀川水系ダム計画強行は河川法の趣旨を否定 2008年6月26日


◆…21日付の貴紙の一面で報じられた天ヶ瀬ダム改修をはじめとするダム計画の強行を国交省地方整備局が決定したとのニュースには驚きました。河川の改修・改造を国が一方的に計画し、住民の異議申し立てを無視して大規模工事を実施し続けてきた、かつての公共工事優先国家へ立ち戻ったかのようです。97年に改正された河川法では、それまでのダム優先、川筋改修の公共工事の結果、日本の多くの河川がかつての美しい姿を失い、水質が悪化し、魚類の多くが絶滅に追い込まれていることなどの反省のうえで、国の河川整備の決定以前に学識経験者の意見を聞かなければならないとしたものです。諮問期間である淀川流域委員会が淀川河川計画についての最終意見をまとめている段階で、国交省が見切り発車を行う事は、同じ21日付の貴紙3面で須田稔氏(宇治・世界遺産を守る会)が詳しく批判されているように、法の主旨に反する暴挙と言わざるを得ません。
◆…ここで問題にしたいのは、この河川法では関係自治体の意見も聴取することになっており、宇治市がどのように「住民を代表して」、さらに責任をもって発言を行うかということです。貴紙の報道によると「市長コメント」なるものは国交省地方整備局の見解をオウム返しのごとく繰り返した「工事早急実施」のようです。一方、1週間ほど前に他紙に寄せられた山田京都府知事の意見表明では「国交省と流域委員会との対立が解消されない場合は、関係する府県知事が責任をもって河川整備計画の環境・治水・利水面を評価する」というものでした。多大な負担を強いられる地元自治体として当然の見解表明だと思われます。さて、今回の計画強行に対して、7年も調査・検討を続けてきた「流域委員会」の歴代委員長3名も抗議声明を出されていますが、河川工学や防災工学のトップの学者の方々です。宇治市は「流域委員会」の専門意見やこれまでの地元調査の検討をくつがえすにたる「見解」を持っているのでしょうか。
◆…これからの河川計画では、かつての清流を取り戻す、住民がはいり込めて身近に暮らしの中にある宇治川を戻すということが望まれます。「流域委員会」現委員長の宮本氏は子供のときに楽しんだ八幡の水泳場を取り戻したいと語っておられました。宇治川から100bの地域で育った私も塔の島に沢山いた魚類や、アユモドキもいましたが、水泳学校を懐かしく思い出します。天ヶ瀬ダム建設で水が汚れ、河原もどんどん無くなりましたが、それでもしばらくは河原でエビやヨシノボリを相手に子供が遊べました。一昨日、川に落ちたお年寄りがあわや落命するという事件が起こりましたが、近づくのも危険な川に誰がしたのでしょうか。今回の『改修計画』では巨大な放水路に宇治川を変えてしまう土木工事になっています。昼間は今まで以上に増水し、発電しない夜間は数bも水位が下がる宇治川では魚類や貝類の姿が無くなってしまいます。いまでもブラックバスやブルーギルの姿もなかなか見られないものになっています。
◆…久保田市長はご自身の体験からも水害の防止には強い意見をお持ちらしいとのことですが、道路税(ガソリン税)の時の対応を考え合わせると、公共工事の推進に熱心であって、市長を支持している市民基盤と少しかけ離れているのではと考えざるを得ません。ぜひとも風土を尊重し、かけがえのない宇治川を市民一体となって実現する方向へリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
(山田麦生・水を考える南山城の会会員)

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