洛タイ投書箱



投書と匿名
2005年11月8日


◆…あなたに電話をかけてきた人が、あなたの言動を非難するにせよ、褒めるにせよ、名前を告げようとしないとき、あなたはどういう気分になるでしょう。イヤーな気分で落ち着けないでしょう。
◆…パソコンやケータイのメール文化で、匿名での人権侵害が増えているようです。大抵は罵詈雑言(ばりぞうごん)が匿名なのですね。となると、反論したくてもできない。つまり、一方的な襲撃に見舞われて、泣き寝入りするしかないわけです。人権抑圧です。
◆…新聞などの投書欄で、原則は住所、氏名を明示しますね。本人のたっての要望で、新聞社もプライバシーの保護が不可欠だと判断した場合に限って、「紙上匿名」と注記しているでしょう。
◆…投書する人のモラルあるいはマナーとして、他の投書者の名前をあげて、「この人の意見は賛成しかねるが」と書くのに、自分は匿名にする、というのはフェアプレーではないでしょ。「この人」が公職者なり権力じみた力をもつ人だと、報復的な圧力を案じて自分の名を伏せることもありえますね。しかし市井の個人を名指ししておいて、自分は名乗らない、というのは、やはり卑劣でしょ。
◆…匿名化社会は危険です。新聞社として、社内論議をした上で、投書の匿名問題を、個人の尊厳と言論の自由の視点を据えたルールを確立していただけませんか。自由を行使するとき責任をともなうのですから。(宇治市広野町・須田稔)

「投書箱」への考え方について

 まずは今回投書をいただいた須田稔さんにお詫びしたいと思います。匿名投書の中に須田さんに関する記述がありながら照会すらもせずにそのまま掲載したことはやはり問題があったと判断しています。今後は同様のケースがないようにしたいと考えています。
 洛南タイムスは読者、市民にできる限り紙面を開放し、直接的にも間接的にも可能な限り自由に意見、主張を発表できるように考えています。「投書箱」は読者に紙面参加していただく機会のひとつだと思っています。
 ただ、どんな投書でも掲載できるのかというともちろん、そうではありません。事実に反する内容、特定の宗教、政党活動利用だったり、個人攻撃につながるようなもの、公序良俗に問題があると判断したような場合は掲載していません。
 相手が公的な機関だったり、大きな権力をもった人や組織などに市井の人が立ち向かおうという時、あるいは身分や立場、名前を公表することが不都合であると理解できる時、匿名であることがやむをえないような文面である時は例外として認めた事もあります。差出人の住所、氏名の記載がない投書は原則としてそのままでは掲載できません。まれに取材として裏付けた後に記事として扱うケースはありますが。
 一方で地域の限定されたローカル紙の場合、投書者、読者のプライバシー保護、社会的な影響から紙上匿名を希望しているような場合はできる限り広く自由な発言、主張の機会を提供するという基本的なスタンスから認めてはいますが、匿名は避けて欲しいとも思っています。歓迎したり、奨励するものではありません。(代表取締役・川田一公)

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