No27
韓国は釜山港行きのフェリーパンスター号は16時、定刻どおり、大阪国際フェリーターミナルの岸壁を離れた。
全長151・58b、総トン数4249d、552人乗りのこの船は、大阪湾口を入り組んだ地形に変えている大小の人工島を避けるため、右へ左へ、身をよじるようにして進んだ。瀬戸内の島々を縫うように進み、関門海峡を越えて日本海に出で、韓国は釜山港へと向かうこの船の、指し当たっての目標である、瀬戸内海の入口、明石海峡大橋が、前方に見え始める頃、舵取りが落ち着いた。
船は上から2層目までが客室で、第1層の上が、展望デッキとして整備されていた。
客室を出て、70×50b程の広さを持つ、学校の屋上のようなそこへと至るための鉄扉が、馬鹿力を吐きださねばならぬほどに重かった。
漸く開けると、吹き飛ばされそうなほどの強い風に全身を叩かれた。危うく握り締めていた扉の捕口を放してしまいそうになった。もし手を放していたら、扉に全身を打ちつけられて、怪我でもしてし |
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