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| ■ワールドカップ観戦記 |
| 梅原 幹正 |
No4
FIFAからチケット販売の委託を受けたバイロム社が、とっくに売り切れてしまった筈のチケットをオフィシャルサイト上で何の予告もなく売り出したというあれだ。共催両国以外の国で販売されていたチケットが大量に売れ残っていたのが突然発覚したというのが原因らしい。 大学4回生のTさんは就職活動の真っ最中であったにもかかわらず、最終面接に行く前にパスポートを取得し、すぐさま私に自分のパスポート番号を伝えてきた。それを元に私は、朝の9時から出勤1時間前の昼12時30分までネットにアクセスし続けた。テレビには太った男性が「夜10時から朝10時までの12時間アクセスし続けて、やっと手に入りました。疲れました〜」と、たいして疲れてもいない顔で喋っていた。またスウェーデン代表チームのユニフォームを着た女の子が「日本はハイテク国家じゃなかったの、インターネット、全然繋がらないし、どうなってんのよ?」と、自前のノートパソコンをテレビカメラにアピールしながらキレていた。 4年間、お金と休暇を貯めていたイングランドサポーターはこの状況をどう思っているんだろうと考えたりした。 そして私はその日、つい最近までは簡単にアクセス出来ていたチケット販売サイトに、結局アクセスする事は出来なかった…。 就職試験の面接会場から電話してきたTさんにその旨を伝えると、彼もガッカリした声で、 「無理ですか〜」と言い、続けて、 「4年前もチケットで騒いでませんでしたっけ」と言った。 そうだった。4年前もそうだった…。 私が初めてサッカーの国際試合を生でを見たのも韓国事だった。その事は後で述べる。 4年前、日本が初めて出場したフランスワールドカップ第二戦、日本―クロアチアの試合を生でを見に行くと決めたのは、チケットが余っているという新聞報道を見て電話をかけたトコロ、あっさり手に入った時からだった。 今回と同じように激安ツアーが多数掲載されている雑誌からツアーを申し込み、いざフランスへという段階で、あのチケット問題が発生した。私は私のチケットの事が心配になって前述の所へ確認の電話をすると、先方は明るく元気はつらつ 「あの騒動は旅行会社のから発生したものでありましてですね〜、私どもは“出版社”から回ってきたチケットを販売、要するにあれとは全く違うルートから回ってきたモノを販売しているんで、ご心配にはおよびません」と、言った。 なんで出版社がワールドカップのチケットを手に入れる事が出来るんだろうと思いつつも「そっか、関係ないんか、助かった〜」と、胸をなで下ろした私であったが、結局、日本でチケットを受け取る事は出来なかった。チケットは日本代表予選リーグの第二戦目が行なわれるナントという町のホテルの一室で“手渡し”と、いう事になった。 偽造チケットが出回っているため、日本までチケットを届けるのは“危険”だというのがその理由だった。 私は代わりに送られて来たチケット引き換えに必要な書類を手にフランスへ渡った。 そして、フランスはナントに着き、チケットを受け取りのため行ったホテルは、日本代表のジャージを着た人達で埋まっていた。ジャージを着ていないのが恥ずかしくなってくる勢い。 サポーターの群に流されるように行った先、大会議室ともいうべき部屋のまんなか、並べられた長机の向こう側に3人の担当者が座っているそこはチケット受取センターではなく、“苦情窓口”になっていた…(つづく)。 |
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