検証 六地蔵ものがたり C
明るい出口はどちらの方向に
迫られる決断

求められる指導力





 京都市との結節点にあり、交通の要衝、JR六地蔵駅の開業に続く京都市営地下鉄の延伸によって今後も変貌していく六地蔵地域。京都市に近くて便利が良くなるということは宇治市へ来易くなる反面、京都市へも出かけやすくなるのは当たり前のことであり、現状のまちづくりのまま推移すれば消費者はさらに流出。立ち行かなくなる商店、事業所も出てくる。宇治ショップセンター協同組合、そして周辺地域商店街も総合的なまちづくり指針をまとめ、強力に行政に働きかける最後のチャンスかもしれない。同時に地域をまとめあげるリーダーシップも、求められる。

 さまざまな駆け引き、時には裏切り・背信もあった宇治ショップセンター協同組合は繰り返しになるが、水面下ではいわゆる暴力団とも結びついた大型店シェア争い、バブル経済の象徴的な犠牲者でもあった。

 すでに裁判記録、判決文のなかで同組合役員たちが6千万円、一般組合員は4千万円を開発業者から受け取っていたことが判明。権利売買できないはずだった組合員権利が事実上、開発業者との間で売買されていたが、売却に反対してきた組合員たちが原告となって「組合員たる地位不存在確認」を求めて提訴。明確に「組合員たる地位を有しないことを確認する」と判決が下され、開発業者の配下にあった組合員への名義変更を無効としている。

 しかし、判決にそうですかと、あっさり渡した多額のお金をプレゼントするはずもない。組合員権利の売買が認められなかったのだから当然、渡した金は返せ――となった。一方、金を手にした組合員からすれば「いまさら返せといわれても売ってくれと言い出したのはあんたたち。書面手続きも任せていたのに」とか、「貰った金は使ってしまってもうない」とか。平成9年(1997年)に今度は開発業者・南都グループからお金をもらった人たちへの返金、請求権を引き継いだ手広く遊戯業を営業している人物Y氏が「不当利得返還」を求め、「年間五分の割合による金員を支払え」と求めたのに対し、平成12年(2000年)12月に判決が言い渡され、Y氏の訴えは棄却。「訴訟費用は原告の負担とする」という判決内容になり、いわば南都グループ、請求権を引き継いだY氏は丸損のような結論。

 そのままY氏が巨額マネーを断念するとも考えにくいが、事実上、「組合員権利を売却してしまった組合員もほっとしたことだろう」という。

 組合員としての権利を事実上、売却したある人物は取材に応じ、当時の理事・役員が組合を代表した立場ではなく。自分たちが一般組合員よりも2千万円も多い6千万円もらっていたことを厳しく批判。皮肉を込めて「うまいことしよった」という。かつて革新系の大物でありながらも利権がもとで失脚したN氏が一連の事件にも深く関与していたことを説明した。

 売却、組合員権利の譲渡に同意したのは「宇治ショップセンターの将来を考えてもメリットはなかった」という。事件をきっかけに自ら組合を脱会。一つのけじめ、区切りをつけ、今は地域でも胸を張って生きられる状態。実質上、権利譲渡したはずの人物たちが残っていることには「どういうつもりなのか」と、懐疑的だ。しかし、売却に反対してきた人たちにも「方向付けがないのは気がかり。組合員権利を失ってやいのやいのという立場ではないが、かつての対立、感情的なしこりで『あのガキ、このガキ』みたいにやりあっていても展望は開けん。宇治ショップがどうなうかは地域の人の関心はまだ高い」という。

 指摘を受けるまでもなく時には恐怖を感じたり、億単位の莫大な金銭誘惑さえも拒否して売却に反対を続けて来た組合員たちも現状を憂慮している。将来をどう展望しているのか、憂慮する現状とは何なのか…。(つづく)

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